外国為替とは
FXやフォレックスと呼ばれる外国為替市場は世界最大規模で、且つ最も流動性に富む金融市場の事です。スイスのバーゼルに位置するBIS(国際決済銀行)の権威ある中央銀行調査(3年毎に実施)によりますと、毎日の平均取引高は3 兆2,000億米ドルを超えており、なお拡大の途上にあると言われております。そのうち、スポット市場はフォレックス市場全体の活動の約三分の一を占めております。
通貨は事実上、ひとつの商品であり、他の通貨や金、石油などの資産に対してその価値が変化致します。まずこの点を把握頂ければ、フォレックスは容易に理解する事ができます。
フォレックス(外国為替証拠金取引)とは
フォレックス(外国為替証拠金取引)では、ある通貨が他の通貨と交換する形で売買が行われます。その際のレートは、これらふたつの通貨間の相対的な値を示しております。通貨は通常、3字からなる「通貨コード」で呼ばれます。例えば、ユーロはEUR、米ドルはUSD、スイス・フランはCHFなど、この様なコードで表示されます。通貨の通貨コード一覧はこちらをご覧ください。レート1.5000でのEUR/USDは、1ユーロが1.5米ドルに当たることを意味しております。
EUR/USD をひとつの通貨ペアと呼びます。また、通貨ペアは基準の通貨を逆にする事も出来ます。その場合、 レート1.5000のEUR/USDはレート0.6666のUSD/EUR と云う形に換算され、1米ドルは0.6666ユーロに当たる事を意味します。市場では慣例的にほとんどの通貨を対米ドルで表現する傾向にありますが、もちろん例外もあり、代表的なのものとして、先に触れたEUR/USD(ユーロ/ドル)のほか、GBP/USD(ケーブル)、AUD/USD(豪ドル/米ドル)などが挙げられます。一見紛らわしいようですが、実際にはそれほどでもありません。
外国為替レート・システム
基本的に2つの為替レート・システムが存在します。
フレキシブル外国為替レート・システム:
フレキシブル外国為替レート・システムでは、通貨は自由に変動し、その価値は市場の力によって決まります。
固定外国為替レート・システム:
固定外国為替レート・システムの場合、通貨は自由に変動することはできません。しかし、その値は一定のレートでUSDなどといったある通貨に固定されるか、あるいは一定の複数通貨からなるバスケットに固定されます。このシステムの場合、当該国の中央銀行は予備として蓄えておいた外国通貨または自国通貨を使ってレートの変動を抑えることになります。
外国為替価格への主な影響
自由に変動する通貨の、市場での価値を決める要因は、世界の貿易動向、政治経済情勢、金利水準から目先的な需給関係に至るまで無数にあります。他の資産の場合と異なり、フォレックスは純粋市場で、レートは自由に上下します。
OTCマーケット
フォレックス・マーケットは大部分が「店頭市場」(OTC)であり、ただひとつの管理・規制下の取引所で行われているわけではありません。取扱高の大きさにもかかわらず、外国為替市場が投資家にとって理解され難い存在だった理由はこの点にあります。しかしながら、テクノロジーの向上により、透明性がもたらされ、市場が新規参入者に開かれました。外国為替市場は事実上、1週7日間・1日24時間開かれており、取引の電子処理がますます増大する方向にあります。
フォレックス・マーケットのメイン・プレーヤー
フォレックス市場には無数の様々なプレーヤーが存在し、取引に関してはそれぞれに大きく異なる成果を期待しています。フォレックスはよく“ゼロ・サム”ゲーム(即ち、ある投資家の利益は、他の投資家の損失に等しい)と言われておりますが、収益を上げる機会はおびただしいほどに存在致します。この事から、フォレックスは誰もが十分に食べられるパイ、と考える事ができるでしょう。
伝統的にFXマーケットのメイン・プレーヤーは銀行です。現在でもマーケット・シェアの点に於いて、銀行は最大手のプレーヤーでありますが、透明性が高まった事で、フォレックスは一段と一般的な市場となっております。現在は銀行間市場で取引が行われる極小ピップ幅で、誰もが取引に参加する事ができるのです。
銀行は現在でもフォレックス市場の中心プレーヤーですが、過去10年の間にヘッジファンドや商品取引顧問業など、新しいタイプのマーケット・メーカーが頭角を表してきました。
フォレックス市場では各国の中央銀行も重要な役割を担っておりますが、国際的企業もフォレックス関連のリスクに対するエクスポージャーがある関係で、当然ながら取引に関心を抱いております。
フォレックスではリテール部門が過去10年間に急激に拡大しております。正確な数字は入手が困難ですが、この部門はフォレックス市場の約20%を占めるとされております。
通貨先物市場に対するスポット・フォレックス
外国為替トレーディングは殆どがOTCで行われますが、非常に活気溢れ、順調に成長する先物市場も存在致します。米国シカゴにあるCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の1日の取扱高は約850億米ドルにのぼります。その他いくつかの取引所でも通貨先物の取引が行われております。
スポット・フォレックス価格は通常『 T+2 決済 』となっております。これは成立した取引は2営業日中に決済されるという意味です。先物の満期期間は概ね3ヵ月で、普通は3月、6月、9月、12月の年4回決済が行われます。先物の価格とスポットの価格との間に違いがある様に見えるのは、この辺に事情がある為ですが、実際には、ほぼ100%相互に関連しています。フォレックス市場はあまりに効率的すぎるため、価格差に着目したサヤ取りのトレードはできません。先物価格には通貨ペアのフォワード・レートが含まれます。
一般的に、先物価格は米ドルに対しての通貨としてクォート(建値)されます。即ち、先物価格はスポット・レートの逆で、満期日のスワップ価格をプラスします。一見複雑にみえますが、実際はそうでもありません。
トレードをどの場で行うかは各人の選択問題であり、OTC、先物両市場にはそれぞれに長所があります。ただし、OTC市場の方が弾力性に富んでおり、概して取引は安上がりです。
フォレックス取引の特徴
24 時間マーケット
フォレックス市場は休むことなく常時開かれています(殆ど週7日間・1日24時間稼動)。月曜日(欧州では日曜日の夕方)にニュージーランド市場で取引がスタートし、以降、金曜日の夕方に米国の市場で取引が終了するまでの間、市場は絶えず開いております。
流動性
フォレックス市場の規模はとてつもなく大きく、なお拡大の途上にあります。1日の平均取引高は現在、3兆2,000億米ドルを超えております。テクノロジーの発展のお陰で殆ど誰でもフォレックス市場の利用が可能となり、リテールのトレーダーが大挙してフォレックスに参加しております。
レバレッジ
フォレックスのマージン率は株式取引の場合のそれに比べて高くなる傾向にあります。これはまず通貨市場の高い流動性に起因するもので、フォレックス市場では殆ど常時値がついております。また、概して通貨市場はそれほど不安定になることはありません。
低いスプレッド
スプレッドとは買値と売値との間の差を示しますが、フォレックスに於いては非常に小さいものです。EUR/USDの2ピップという価格を、取引が極めて活発で流動性に富む株式の価格に比べるとよく分かります。その上、フォレックスの価格は通常、株式に比べて遥かに大きな金額に対して『有効』です。スプレッドは目に見えない「固有の取引コスト」で、フォレックスではごく小さいものです。テクノロジーの発展のお陰で、ほとんど誰もがこうしたタイトな価格を利用できるようになりました。
ノー・コミッションかつ低取引コスト
OTCでのフォレックス取引は大抵ノーコミッションですが、スプレッドがこの様に低いため、トレーディングに於ける本質的なコストは、株式など他のアセットに比べると遥かに小さいものとなっております。
市場の傾向に左右されない潜在的プロフィット
フォレックスは純粋市場で、価格は容易に上下します。ある通貨についてトレーダーが下落すると考えた場合、ポジションを売る上での制約は殆どありませんが、ポジションを1日以上維持しているケースではキャリーに伴うコストを考慮しなければなりません。フォレックスに於いては、トレーダーの売りか買いかに関係なく、また市場が上昇するか下降するかに関係なく、利益を出せる可能性が存在しております。
マーケット情報への平等なアクセス
欧米に於いては、最も厳しい取引執行規制が採用されたにも関わらず、証券市場ではプロのトレーダーやアナリストが個人トレーダーに比べ競争面で大幅に有利な条件下にあることを否定する人はいないでしょう。一方、フォレックス市場では大手銀行が有する唯一の優位性とは恐らくフローに関する情報のみでしょう。即ち、フォレックスとは民主的な市場でありし、プレーヤーの誰もが事実上、市場を左右するような情報へと一様にアクセスでき事を意味しております。

